深紅の花に姫君《改装版》
ーカルノンゲーテ教会
「ひさしぶりだなぁ………」
教会に着くと、美しい花々が私を向かえてくれる。
ーゴーン、ゴーン
響き渡る鐘の音、そこに浮き彫りになっている白亜の教会。まるで、ここだけ違う世界みたい。
「あなた様は………」
うろうろとしていると、不意に後ろから声をかけられた。振り向くと、そこには美しい紫の髪と瞳を持つ女の子がいた。
あれ………?
初めてあったはずなのに……なんか、知ってるような……
「どこかで会った事あったかな…?」
うーん、どこだったかな?
セレネリス婆様に会いに行った時だったかな。
「ふふっ……はい。遥か昔に」
「は、遥か昔??」
随分と変な言い方するんだなぁ。
遥か昔だなんて、そうとう小さい時に会ったってことかな。