不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。上
「ごめんね無理に聞いたりして。俺は春樹(ハルキ)。んで、あっちの無表情な堅物が燈(アカリ)。んで、こっちのうるさいのが翼(ツバサ)。みんな年はリンちゃんより1個上だね。好きに呼んでいいよ。
今日はもう鬼ごっこで疲れたでしょ?奥にベッドがあるからそこで休むといいよ」
年上だったのか……
そんなハルキさんからは
無理に聞きはしない。
そんな感じが読み取れた。
長時間走ったせいで疲労はピーク。
今にでも寝れそうだ。
「おい、ハルキ。奥の部屋のベッドってアカリのだろーが!そこら辺、わからせといたほうがいいんじゃねーの」
私を鋭い目つきで見てくるツバサさん。
え、アカリさんの……?
それに、今のツバサさんの言葉はきっと、深くは関わるな、勘違いするなって意味だろう。
もうここから出て行こう、そう思った時だった。
「別に構わねぇ」
アカリさんが驚いたことに許してくれた。