不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。上
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アカリが『ちょっと野暮用』と、いなくなった部屋。
「 お〜い、ハルキお前あの女どーするつもりだよ」
ふとツバサが口を開いた。
「どーするも何も傷の経過観察しなきゃ」
「はぁ?!何甘ったれたこと言ってんだよ!さっさっと追い出せばいいだろーが!大体この部屋は自分たちの女以外入れちゃいけねーはずだろ」
なんて呆れたふうに言うツバサ。
「いや〜、そうなんだけどさ、」
「……なんだよ」
「ちょっとうちのアカリちゃんがあの子気になってるみたいなんだよね〜」
「はぁ?そんな風には俺は見えなかったけどな」
「お前の目も節穴だね。アカリは興味ない奴にはとことん冷たいだろ。しかも名前聞いた時にちょっと耳がピクって動いたの俺見ちゃったんだよね〜」
ツバサはニヤリと笑うと、かけていた眼鏡をくいっとあげた。
「…なんだお前のその名探偵並みの観察力。」
ツバサは関心したのと同時にそんなところまで見てるのかと恐怖心を抱いた。
「と、お前にビビる前に、今は狼牙とかいう族と敵対中だぞ?いいのかよ」
「それはほら、うちの総長がなんとかするでしょ」
ニコッと笑うハルキ。
俺より楽観的な奴がここにいた…
と、ツバサは思うのであった。