不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。上
#.03 目的
朝。
目が覚めると、目の前には見知らぬ天井。
逃げて来たことが夢ではないことを実感する。
『(あーーー…)』
試しに声を出そうとしても、まだ薬か効果が切れていないらしい。
とりあえず、お礼を言って、ここから出よう。
こんなゆっくりしている場合じゃない。
包帯の巻かれた両足をそっと床につき、ベッドから出た。
ゆっくりとドアを開けて、昨日のソファーのあった部屋を覗いていると、
「おい。起きたならさっさとこっちこい」
アカリさんの声がして、急いで部屋から出た。