不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。上



部屋に入ると、ハルキさん、ツバサさん、アカリさんの3人が既にソファーに座っていた。




『(あ、あの、色々とありがとうございました)』



ペコっと頭を下げ、出口のあるドアの方へ足をやった。




「あれ?もしかしてリンちゃんここから出て行こうしてる?」



ハルキさんの声に止められた。



こくんと頷くと、



「だめだよまだ傷は治ってないんだし。それに行くとこないんでしょ?」




な、なんでそれをわかっているんだ…

行くとこはない。
ないけど、私にはやらなきゃいけないことがある。




「あはは〜何でって顔してる〜。そりゃーわかるよ。リンちゃん、昨日家に帰るなんて素振り見せなかったしね」



「まじでこえー観察力…」



怯えた顔のツバサさんに私も同感だ。


ハルキさんは人の行動や表情をよく見ている人なのか…。











< 25 / 313 >

この作品をシェア

pagetop