不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。上
アカリは私の"力"について確信のある言葉を出してこないし、聞いてきたりもしない。
それが私には救いだった。
さっきまで真っ暗で怖かった海も不思議と怖くない。
だから____________、
『ありがとう…』
ポツリと呟いた言葉は、月で光る海へと消えて行った。
そんな私は重要なことを忘れていたのだ。
何故、アカリが昔の私の記憶が残っているのか______。
それは、私が"いなくなる"時に知ることとなる______……。