不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。上
こうして、私の育った街に辿り着けたのだ。
アカリ、ツバサ、ハルキ、ショウくん、みんなが車から降り、私も意を決してその地へと足をつける。
その公園は本当にどこにでもありそうな、ただの公園。
「おい、本当にここであってんのかよ?」
「あぁ、間違いない。ここだ…」
ツバサの質問にアカリは静かに答えた。
アカリが言うならここで間違いない、けど……
私はいくら辺りを見渡しても何も思い出せなかった。
ここにこんな標識の看板あったっけ…?
ここにこんな木あったっけ…?
近所の人にも全然見覚えがない。