不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。上



目的…?





「別に俺らはお前をどうこうしようなんて思っちゃいねぇ。声もでねぇ上に、その傷のまま出て行かれると、こっちも迷惑だ。

それに目的があって逃げてきたんだろ?」



アカリさんの、特に何の感情もこもってない声が響く。




「リンちゃん、俺たち、リンちゃんのこと何も聞かないよ。けど、言ってくれれば協力はできる。いい条件だと思わない?」


「俺は認めてねーけどな!!」


「あ、ツバサのことは気にしないでいいからね。リンちゃん、リンちゃんはどうしたい?」





「…お前を追って来てた奴らなら、心配することはない。俺らは強い」




基本怖い顔をして、冷たいオーラを纏っていたアカリさんの口角がほんとの少しだけ上がった気がした。




その顔が、不思議と温かくて、安心した。



何も怖いものなんてないかのような__________。






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