不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。上
『「「あ」」」』
ハルキさん、ツバサさん、私のが声が重なった。
『でた…』
声が、出た!
薬がきれたんだ!
「なんだよ喋れんじゃねーかよ!」
「リンちゃん可愛い声してるね」
ツバサさんはほっておいて、一緒に喜んでくれるハルキさんに笑みを向けた。
すると、ぽんと、頭の上に手のひらが。
その手は驚いたことにアカリさんのもので…
「母親探し、やるぞ」
優しく、くしゃと私の頭を撫でて、部屋から出て行ってしまった。