不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。上



「アカリいいいい!お前どこ行ってたんだよ!」



「便所」



「は!わかった!お前変なもん食ったんだな?!そーだな?!」



「…なんだお前」



食らいつくように聞いてくるツバサさんに、アカリさんは若干引き気味。




「アカリがリンちゃんに優しいからって怯えすぎだよ、ツバサ」


クスクスと笑いながら言うハルキさん。





アカリさんはチラッと私を見て、



「別に、普通だ」



その声にちょっとガッカリする自分がいた。



それはきっと特別な感情とかじゃなくて、ただ単に誰かに特別だと思われているのが嬉しくて、舞い上がっていただけ。


そう、きっと







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