不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。上
#.01 逃走
私たち、能力者は、この与えられた"力"と同等の何かを失わなければならない。
それは、
秩序であり、運命であり、決まっていること。
でも、それが
《自由》なのか《大切なもの》なのか、
なんでもいい、
私は争ってみせる。
『っ…はぁ、はぁ…(ここ、どこだろう)……』
行く当てもなく、ただただ奴らの元から逃げてきた。
走りに走ってたどり着いた場所は、ネオンが眩しい華やかなこの街。
この世界にはこんな明るいとこがあるのか……
って、そんな場合じゃない!
「おい!いたぞ!!」
すぐ近くから聞こえてきた追っての声。
『(もうこんな近くに……)』
疲労から鉛のように重くなった足をひきずるようにして、ビルの裏路地に逃げ込んだ。
が、
___________ぐいっ!!
『っ!!!』
「ったく、脱走女が。手間かけさせやがって」
後ろからおもいっきり腰まである髪の毛を引っ張りあげられた。
くそっ!捕まった。
後ろに待ち構えていたなんて…!