ひめごと。



「他の男に水揚げされると知らされた時、俺がどんな気持ちだったかわかるかい? 熱に浮かされた君の吐息を感じるたび、俺がどんなに郭から君を連れ去りたいと思ったことか……。愛しているよ、春菊」




「私も……私もずっとお慕いしております……」

 春菊は幸福感を胸に抱き、力強い腕の中であたたかな涙を流した。





*終幕*
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