君が教えてくれた事



「リ〜カ!こっち来て?」



俺が呼ぶと、リカは嬉しそうに俺の膝の上に座る。



後ろからギュッとリカを抱きしめて、耳元でこう言うんだ。



「好きだよ。ずっと一緒にいような?」


「歩太の甘えん坊!でも、大好きだよ!ずっと一緒だよ?」


向きを変えて、俺に抱きつくリカを、力いっぱい抱きしめる。





「ねぇ、運命を信じる?」



体を離したリカが俺の目を覗き込む。



運命?



信じた事なんて、なかった。



でも今なら・・・



「信じられるかも。リカに出逢えた事は、運命だって思いたい。俺が生きてきた事とか、母親の事とか、今までの事は、リカに出逢う為の運命だったのかな・・・」


俺がふっと笑うと、リカは目に涙を浮かべた。



「歩太、違うよっ!」





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