君が教えてくれた事
“早く早く”とリカは手招きをして俺を呼ぶ。
俺は靴を脱ぎ捨て、ズボンを膝まで捲り上げると海に足を踏み入れた。
眩しい日差しと冷たい海水。潮の香り。
波の音と、俺を呼ぶリカの声。
現実感のない世界。
心の中から、キレイになっていく様な不思議な感覚だった。
「きゃ〜〜〜っ!つめた〜いっ!!」
油断していると、突然大きな波がやって来て、リカは逃げる様に俺に飛びついてくる。
リカの手をしっかり握って、波を追っかけたり逃げたり・・・
二人して大きな声を上げて笑った。
「あ〜ゆ〜た〜、り〜か〜っ!ラブラブ〜ラブラブ〜!!」
リカは嬉しそうに砂浜に相合い傘を書く。
俺がふざけて足で消すと、本気で怒って追いかけてくる。
砂に足を取られて転びそうになる俺に、容赦なく体をぶつけて来て、満足そうに笑っている。
リカの子供みたいにはしゃぐ姿が、可愛くてたまらなかった。
砂まみれになりながら、時間を忘れてクタクタになるまで遊んだ。
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