君が教えてくれた事
思いっきり温泉を満喫して部屋に戻ると、リカはまだ戻って来ていなかった。
いつもの3倍はゆっくり風呂に入ったのに・・・
まぁリカは普段から風呂が長い。
俺はテレビを見ながらリカの帰りを待った。
30分くらいして、ようやく戻って来たリカは・・・
・・・・・・かわいい。
ほんのり赤く染まった頬と、旅館の浴衣。
アップにまとめられた髪がまだ濡れていて、うなじに後れ毛・・・
ヤバっ・・・
スッピンのリカは、昼間より幼い顔をしているのに、なんかやけに色っぽい・・・
夜、絶対に脱がせてやるっ!
俺の頭の中は・・・どんどんエロい方に・・・
「歩太、かわいい〜!」
俺の考えてる事も知らずに、リカは嬉しそうに俺の浴衣姿を携帯のカメラでパシャパシャと撮っている。
「リカ、旅行って楽しいなっ!俺、温泉初めて入ったよ。リカも初めて?」
「えっ!?」
何気なく聞いた一言。
本当に何気なく聞いたんだ。
ただ・・・
リカにとっての初めてを、何かひとつでも俺が一緒に出来たならいいなぁ。って・・・
そう思って聞いたんだ。
でもこれが原因で、楽しいはずの旅行が、あんな風になってしまうなんて・・・
思ってもみなかった。
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