君が教えてくれた事
黒い感情
俺の質問に、何故か目を逸らしたリカ。
その反応で、リカが温泉に来るのが初めてではない事が分かった。
あ〜あ残念。
リカの両親が亡くなったのは、小学5年生の時だし、まぁ仲のいい家族なら、温泉旅行くらいしててもおかしくないよな。
「初めてじゃないんだ?家族で来たの?」
バカな俺。
「えっ?あ・・・」
気まずそうに下を向いて、キョロキョロと目を泳がせるリカを見て、ようやく気付いたんだ。
「誰と来たの?・・・・・・男?」
心の中が、どんどんと黒いもので覆われていく。
リカの目に映る俺は、きっとすごく醜い顔をしているだろう。
.