君が教えてくれた事



「歩太、さっき怒鳴っちゃって、ごめんね?・・・ヤキモチ、妬いてくれたんだよね?
過去は、変えられないけど、これから先は、ずっと歩太だけだから・・・」



・・・ヤキモチ?



嫉妬。



名前を付けられた俺の感情。




俺を包むリカの体。


自然に抱きしめていた。



「これって、ヤキモチなの?」



「そうだよ?機嫌直して?」



覗き込むリカの顔。


リカに取ってしまった態度や、言わせてしまった言葉。



ごめん。



本当にごめん。



リカが、俺の感情に名前をつけてくれたから、ドロドロだった心の中が、少しずつクリアになって行く。




抱きしめ腕に力を込めた。



愛してる。



“これから先は、ずっと歩太だけだから”



そんな言葉を俺にくれたリカ。



お前はすごいヤツだよ。



俺は何にもしてやれてないのに、お前はいつも俺を包んで幸せをくれる。




抱きしめる事しか出来ない俺・・・




そんな俺に、チュッと頬にキスをして、幸せそうに笑ってくれるお前が愛しくてたまらない。




「あゆ〜好き〜っ!大好き!」



素直にそう言ってくれるリカの笑顔に、俺の心は完全に晴れる。




たくさんのキスを交わす。



リカ、ごめんね?



俺を許してくれる?



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