君が教えてくれた事



「歩太、あのね?
私、赤ちゃんが出来たの!!」




ドクッと心臓が脈を打つ



息が苦しくなって、目の前にあるリカの笑顔が、どんどん真っ白になって、何も見えなくなる。




“赤ちゃんが出来たの”




確かにリカはそう言った。




呆然とする俺に、リカはクスクスと笑いながら、俺の頭を撫でる。



「あゆ〜?赤ちゃんだよ!歩太の赤ちゃんだよ!!」




体が震え出すのが分かった。



子供が出来た。



俺の子供・・・。




頭の中で、


はっきりと蘇っていく・・・



傷だらけで泣き叫ぶ、子供の頃の自分の姿が・・・




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