君が教えてくれた事



リカの目から静かに涙がこぼれ落ちる。


一番大切な子が、俺のせいで傷ついて、涙を流しているのに、その涙を拭いてやる事も、止めてやる事も出来ない。




「歩太・・・理由を聞かせて?」




「俺は・・・父親には、なれない・・・」








お前さえいれば・・・



リカがいてくれれば・・・



俺はそれだけでいいのに・・・




自分勝手で、臆病な俺は、自分を守る事しか考えていなかった。



一番守りたいものが何なのか・・・



ちっとも分かっていなかった。





.
< 152 / 260 >

この作品をシェア

pagetop