君が教えてくれた事
リカの目から静かに涙がこぼれ落ちる。
一番大切な子が、俺のせいで傷ついて、涙を流しているのに、その涙を拭いてやる事も、止めてやる事も出来ない。
「歩太・・・理由を聞かせて?」
「俺は・・・父親には、なれない・・・」
お前さえいれば・・・
リカがいてくれれば・・・
俺はそれだけでいいのに・・・
自分勝手で、臆病な俺は、自分を守る事しか考えていなかった。
一番守りたいものが何なのか・・・
ちっとも分かっていなかった。
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