君が教えてくれた事



リカはそんな俺を責めなかった。



ただ悲しい顔をして、




「歩太、すぐに答えを出さないで。大事な事だから。ちゃんと考えて?」



諭すように優しく言う。



リカの目を見れないまま、ただ黙って頷く事しか出来なかった。




「でも、あまり時間がないから・・・。2週間。2週間で、ちゃんと考えて?」




リカはそれだけ言うと、静かに部屋を出て行った。



追いかける事も出来ずに、俺はただその場で床を見つめる事しか出来なかった。




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