君が教えてくれた事
最終の電車に乗って、アパートに帰り着いた頃には日付が変わっていた。
くたくたの体がベッドの上に沈み込む。
もう動けない程に、体が限界を越えていた。
引きずり込まれた眠りの世界で、俺は夢を見たんだ。
都合のいい夢なのかもしれない。
夢の中のリカは、俺に笑いかけてくれたんだ。
『離れていても、私はいつでも歩太を想っているよ。』
こんな俺を今でも愛してくれている。
・・・リカ、愛してる。
俺、絶対に見つけるから。
それまで、待っててね・・・
リカはニッコリと微笑んで、頷いた。
リカの左手には、小さな子供の手がしっかりと握られていた。
男の子か、女の子か分からないけど、その子供が、俺達の子だって事は、分かった。
手を振る二人の姿が、光の中に消えていくのを見ながら、俺は誓ったんだ。
必ず守ってみせる。
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