君が教えてくれた事



海賊から歩いて5分。

俺達の新しい家。



2LDKの部屋の中に、かわいいベビーグッズが、日に日に増えて行く。





「歩太〜、これはまだ早いって〜!」



リカに頼まれて、お米を買いに行ったついでに覗いた赤ちゃんショップで見つけた、小さな小さな靴。





ついつい買って帰ってしまった俺に、リカは呆れた様に笑う。




だってさ・・・かわいかったから。




リカのお腹が、どんどん大きくなっていくにつれて、待ち遠しくて、心配でソワソワして、


頭の中を赤ちゃんの存在が大きく占めて行く。



リカだってそれは同じだった。



毎日二人で、出産の本や、子育ての本、子供の病気の本を見て、親になる勉強中。



初めてのお産で、俺達には頼れる親がいない。




出産予定日が近づくにつれて、俺の心配も募って行く。



リカはじっとしていられないたちなのか、大きなお腹を抱えながら、慌ただしく部屋中を走り回る。


注意しても、全然聞いてくれない。




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