君が教えてくれた事



病室に戻ったリカは、ぐったりしながらも、安心しきった様な穏やかな顔をしていた。




初めてのお産で、かなりの時間がかかったけど、リカは立派に子供を産んだ。




無事に産まれてくれて、本当に良かった。





「リカ、本当ありがとな。」




リカはニッコリ笑って、こう言った。



「歩太、お誕生日おめでとう!」



・・・6月15日



リカは、俺の誕生日に、俺の子供を産んでくれたんだ。



毎日カレンダーばかり見ていたのに、俺の頭の中には、自分の誕生日の事は、どこにもなかった。




「ありがとう・・・最高の誕生日プレゼントだよ・・・」




俺はこの日を忘れない。





俺達の天使が産まれた日。




リカが俺の彼女になってくれたのも、6月15日だった。




大切な大切な日だ。




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