君が教えてくれた事



前半上がりの日。



俺とリカは仕事を終えてバックルームに戻った。





「歩太、この後、何か予定あるの?」



突然聞かれて、訳が分からずリカを見ると、リカは話しを続けた。



「実は今日、美月達、バイトのみんなで飲んでるんだけど、この後、カラオケいかない?」



「行かない。」



聞くまでもない事だろ?


社交辞令なんて、俺には必要ないんだよ。




「つまらなかったら、すぐに帰っていいから!行くだけ行ってみようよ!」



あぁ・・・多分、リカは本当に誘ってくれているんだ。



「・・・分かった。」



気付いたら俺は、そう答えていた。



行くべきじゃない事、ちゃんと分かっていたはずなのに・・・




ただあんまり、リカが必死に誘ってくれたから・・・



そう答えてしまったんだ。





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