君が教えてくれた事
着替えを済ませると、一緒に店を出た。
リカを自転車の後ろに乗せて、隣の駅のカラオケ屋に向かった。
遠慮がちに掴まれた腰の手から、微かにリカの温もりを感じた。
カラオケ屋に着くと、リカは受け付けでルームナンバーを聞いた。
部屋の前まで行った時、少しリカの様子がおかしい事に気付いた。
なかなか中に入ろうとしない。
多分、俺を連れてきた事を後悔しているのかも・・・。
「入らないの?」
俺が聞くと、リカは慌てて笑顔を作った。
そして、勢いに任せてドアを開けた。
「おっつかれ〜!!」
「リ〜カ〜!やっと来た〜!!」
「おぉ〜、リカちゃん待ってたぞぉ〜!」
みんなが、リカの登場を歓迎している。
俺の存在には、まだ気付いてない様だ。
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