君が教えてくれた事
リカは笑顔のまま俺を見ると、俺の腕を掴んで部屋に入った。
「サプラ〜イズ!!」
うるさいはずの部屋が、一瞬にして、静まり返った。
俺の事は、誰ひとりとして歓迎していない。
そんな事は、初めから分かっていた。
なぜ自分がこんな所に来たのか、冷静に考えると、バカらしい。
「みんな、ビックリした?大成功だね!!」
リカだけが、明るい声で、笑っている。
「・・・ビックリしたよ・・・。とりあえず、座んなよ。」
明らかにおかしくなっただろう部屋の空気と、リカの笑顔に戸惑いながらも、沢村は、俺とリカに、席を開けてくれた。
俺達は、一番端っこの席に座った。
“こっちおいでよ?”
そう言われても、リカはずっと俺の隣に座っていた。
しだいに盛り上がっていく中、俺はただ下を向いて、存在を消していた。
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