君が教えてくれた事



久しぶりにリカと二人での、食事休憩。


「歩太、今日は忙しいね・・・。」



まだリカが話しかけてくれる事に、どこかホッとしている自分がいた。



でも、俺はリカを無視して、無言で食べ続けた。




リカは、それ以上、話しかけてはこなかった。



鞄から取り出した携帯を、カチカチといじっている。




俺はただ、リカが手に持つ携帯を、見つめていた。



みんなが当たり前の様に持っている携帯。





電話をする以外に、何の役に立つのか?


そんな事を考えていた。




.
< 32 / 260 >

この作品をシェア

pagetop