君が教えてくれた事



俺の視線に気付いたのか、リカは顔を上げて、俺の事を見た。




「歩太、あの・・・アドレス教えてくれる?」




俺の様子を伺うように聞くリカ。




リカだって、俺と二人でいる事に、きっと気まずさを感じているんだろう。



当たり前だよな。



俺みたいなヤツ、きっと今まで、リカの周りにはいなかったはずだ。




リカは何も悪くないのに・・・




「俺、携帯持ってないから・・・。」



もうこれ以上、リカの悲しい顔は見たくない。



もう、話しかけるな・・・



そう思って、答えたんだ。




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