君が教えてくれた事
電車に乗って、2駅先の携帯ショップに着くと、店の中にはたくさんの携帯電話が並んでいた。
リカも今日、携帯を買い換えるらしい。
店の入口でリカに渡された、たくさんのパンフレットを見ながら、サンプルの携帯と見比べる。
でも、どれがいいのか、サッパリ分からない。
「実は、私もあんまり詳しくないんだよね・・・。」
隣で選んでいるリカが、サンプルの携帯をいくつも手に取って、気まずそうに笑った。
しばらくすると、
「私は、これにするよっ!使い方も今のとあまりかわらないしっ!」
そう言って、リカは手に持っていたサンプルを俺に差し出した。
その携帯のパンフレットの説明を見ても、他のとどう違うのか、やっぱり俺には分からない。
「歩太も、同じのにしない?これだったら、少しは使い方も教えてあげられるよ?」
リカは得意気にそう言った。
「じゃあ、これにするよ。」
お揃いの携帯・・・
リカにしてみれば、多分深い意味はないはずだ。
でも、俺は・・・
少し、違う意味を感じてしまったんだ。
俺は青。
リカはピンク。
俺達は、色違いの携帯を、契約した。
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