君が教えてくれた事
認める想い
夜の道をゆっくり歩いた。
自転車は店の前に置いてきた。
ただ歩きたかった。
昼間リカと歩いていた時は、すごく穏やかな気持ちだったのに。
今は・・・
息が苦しくなる様な、たまらない気持ちだ。
こんな事になるなら、気付きたくなかった・・・
知らないままなら、俺は何も感じないで、いられたのに。
♪〜♪〜♪
突然鳴り響いた電話の着信音。
初め、自分のものだとは気付かなかった。
でも、ポケットで震える携帯は、俺のもので、その相手は、リカしかいない。
「・・・もしもし。」
『歩太・・・会いたい・・・。』
電話越しに聞こえる、リカの声。
小さく響いた声に、胸が締めつけられそうになる。
「今、どこ?」
『・・・海賊の・・・裏の公園。』
その言葉を聞いて、俺は今歩いて来た道を、引き返した。
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