君が教えてくれた事
認める想い



夜の道をゆっくり歩いた。



自転車は店の前に置いてきた。



ただ歩きたかった。


昼間リカと歩いていた時は、すごく穏やかな気持ちだったのに。



今は・・・



息が苦しくなる様な、たまらない気持ちだ。




こんな事になるなら、気付きたくなかった・・・



知らないままなら、俺は何も感じないで、いられたのに。









♪〜♪〜♪


突然鳴り響いた電話の着信音。


初め、自分のものだとは気付かなかった。



でも、ポケットで震える携帯は、俺のもので、その相手は、リカしかいない。




「・・・もしもし。」



『歩太・・・会いたい・・・。』



電話越しに聞こえる、リカの声。


小さく響いた声に、胸が締めつけられそうになる。



「今、どこ?」



『・・・海賊の・・・裏の公園。』



その言葉を聞いて、俺は今歩いて来た道を、引き返した。




.
< 47 / 260 >

この作品をシェア

pagetop