君が教えてくれた事



二人で近くのコンビニに行った。



弁当の売り場の前で、リカはじっくりと選んでいる。



俺は自分の弁当をカゴに入れると、ドリンクの冷蔵庫に行って、ペットボトルのお茶を2本、カゴに入れた。



「歩太!私コレにする!」


嬉しそうに笑って、リカは持ってきた弁当を俺の持つカゴに入れた。




レジに向かう途中で、デザートコーナーにあったシュークリームを俺が手に取ると、



「歩太、買うの?」


不思議そうに聞くリカ。



「コレ好き?」


俺が聞くと、リカは笑顔で頷いた。


「じゃあ、デザートな?」



俺は、シュークリームを1つ、カゴに入れた。






コンビニからアパートまでの道を、リカと並んで歩いた。




少し歩いた所で、リカがそっと、俺の手を握った。



小さくて、温かい手。



俺は、その手を軽く握り返した。




この手を・・・


離したくない。




どうしても、抑えられない感情が、俺を苦しめる。




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