君が教えてくれた事



「あっ!歩太、アドレスどうする?ちゃんと作らないとっ!」




「リカ作っていいよ?」




俺がそう言うと、リカはカチカチと携帯をいじって、アドレスを作り始めた。


「歩太、誕生日いつ?」



突然聞かれた誕生日。



有って無い様な日。


「6月15日。」



覚えている自分に驚くくらいだ・・・。



「えっ?もう来週じゃん!」



リカは鞄の中からシフト表を取り出して、呆れた様にため息をついた。



「はぁ〜、歩太、自分の誕生日、バイト入れちゃってるじゃん・・・。」



「別に誕生日なんて、普通の平日だよ。」




俺が答えると、リカはまた、ため息を吐いて、アドレスを作ってくれた。



「これでいい?」


向けられた画面に表示されているアドレスを確認した。



「このrって何?」


「さぁ〜ね!」


リカはプイッと横を向いて、教えてくれなかった。



でも、rikaのrだったらいいのに・・・。


俺は勝手にそう思った。




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