君が教えてくれた事



“試しに何か送って”と言われて、俺はリカに教えてもらった通りにメールを作った。




リカに伝えたい言葉は、決まっている。


でも、なかなか思う様に文字が出て来ない。




リカは、楽しそうに待っている。



悪戦苦闘しながら、ようやく出来上がったメールを送信した。




〈リカ、ありがとう。〉



たったコレだけの文を作るのに、15分もかかった。




リカの携帯が鳴って、リカはそれを見ると、少し笑った。



そして、リカはまたカチカチと携帯をいじった。



今度は俺の携帯が鳴った。


さっきリカが設定してくれた曲。



メールの受信ボックスに届いた、リカからのメール。




〈歩太の誕生日、一緒にお祝いしたい!〉




「別に・・・いいのに・・・。」




本当はすごく嬉しかった。



誕生日なんて、どうでもいいって思っていたのに、すごく特別な日の様に感じた。





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