君が教えてくれた事
「そろそろ、帰ろうかな・・・?」
外はもう、明るくなり始めていた。
「送ってく」
リカの家まで、俺達は無言で歩いた。
まだ帰ってほしくない・・・
どんどん欲を出す自分をヤバイと思った。
これ以上は、好きになっちゃダメだ・・・
分かっていても、自分の感情をコントロール出来ない。
「ありがとう。ここだから。」
リカは小さなマンションの前で足を止めた。
俺は何も言わずに、そのまま来た道を戻った。
「歩太っ!」
名前を呼ばれて振り返ると、リカは心配そうな顔をしていた。
「歩太、あの・・・今日、バイト大丈夫?圭太の事・・・。」
「別にあんなの気にしてないよ。」
俺はそれだけ言うとまた歩き出した。
しばらく歩くと、ポケットから、メールを知らせる音楽が鳴った。
〈歩太、今日はわがまま言ってごめんね
シュークリーム、食べるの忘れちゃったよ・・・
次、行った時、食べるから、歩太たべちゃダメだよ〜
送ってくれて、ありがとう〉
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