君が教えてくれた事
部屋に戻ると、袋に入ったままのシュークリームを冷蔵庫に入れた。
リカがまた、来てくれるかもしれない。
さっきまで、リカがいた部屋。
いつもと同じ部屋なのに、今はやけに静かに感じる。
俺は携帯を取り出して、リカに返事のメールを送った。
〈早く寝ろ〉
それだけ。
リカのメールはすぐに届いた。
俺はそのメールを見ながら、ベッドに入った。
いつもより淋しく感じる部屋の中で、でもいつもより穏やかな気持ちで眠りについた。
♪〜♪〜♪
目覚ましとは違う音。
俺は冷め切らない意識のまま、手を伸ばした。
「・・・もしもし。」
『歩太おはよ〜!寝てた?』
電話越しに聞こえる明るい声。
「・・・・・・リカ?」
『そうだよっ!歩太、そろそろ起きないと、遅刻しちゃうよ?』
その言葉を聞いて時計を見ると、すでに3時を過ぎていた。
「ありがとう。ヤバかった。用意するわ。」
電話を切った後、俺は慌ててシャワーを浴び用意をした。
携帯を掴むと家を飛び出した。
今日は自転車が無いんだ。
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