君が教えてくれた事



リカは、覚えていてくれたんだ。



今すぐに、リカに会いたいと思った。



俺は、バイト中のリカにメールの返事を送った。



〈メールありがとう。嬉しかった。〉







次の日、いつもより早く出勤した。



でも、今日はリカは休み。



自分が明らかにガッカリしていくのを感じた。



誕生日。


別に、こだわりなんてないけど、リカに会いたかった。


リカの笑顔が、見たかった。





いつもの様に仕事をして、前半の時間で上がる。



着替えを済ませて店を出た時、



「歩太っ!おつかれ〜!」



リカが笑顔で駆け寄って来た。



「・・・リカ?・・・何でいるの?」



「歩太、お誕生日おめでとう!!」



「・・・ありがとう。」


直接聞く“おめでとう。”


メールとは、比べ物にならないくらい、嬉しかった。



「歩太、お腹すいてる?今日は私がご馳走してあげるよ!!」




リカはそう言って、得意気に笑った。





.
< 59 / 260 >

この作品をシェア

pagetop