君が教えてくれた事



俺は、自分の過去を全て話した。



思い出したくない事も、情けない事も・・・


全てをさらけ出して、リカに話したんだ。










俺が2歳の時に、実の母親が病気で死んだ。


母親の記憶はない。

物心ついた頃には、俺は、おばあちゃんと二人で暮らしていた。



でも、俺が4歳の時に、父親が新しいお母さんを連れて、俺を迎えに来たんだ。


初めは、すごく幸せだった。


新しいお母さんは、キレイで優しくて、いつも笑っていた。


でも、ある時から、俺の目を見なくなったんだ。


多分、弟を妊娠した時ぐらいからだったと思う。


父親が仕事に出掛けた家の中で、お母さんと俺は、一言も言葉を交わさなかった。



お母さんの目が、すごく怖かったんだ。




弟が生まれてから、家の中がにぎやかになった。


小さい弟は、すごくかわいくて、家族の人気者だった。


でも、俺が弟に近づくと、お母さんはすごく怒った。




俺はこの時、悟ったんだ。



お母さんは、俺の事が嫌いなんだって・・・。





.
< 68 / 260 >

この作品をシェア

pagetop