君が教えてくれた事
俺は、自分の過去を全て話した。
思い出したくない事も、情けない事も・・・
全てをさらけ出して、リカに話したんだ。
俺が2歳の時に、実の母親が病気で死んだ。
母親の記憶はない。
物心ついた頃には、俺は、おばあちゃんと二人で暮らしていた。
でも、俺が4歳の時に、父親が新しいお母さんを連れて、俺を迎えに来たんだ。
初めは、すごく幸せだった。
新しいお母さんは、キレイで優しくて、いつも笑っていた。
でも、ある時から、俺の目を見なくなったんだ。
多分、弟を妊娠した時ぐらいからだったと思う。
父親が仕事に出掛けた家の中で、お母さんと俺は、一言も言葉を交わさなかった。
お母さんの目が、すごく怖かったんだ。
弟が生まれてから、家の中がにぎやかになった。
小さい弟は、すごくかわいくて、家族の人気者だった。
でも、俺が弟に近づくと、お母さんはすごく怒った。
俺はこの時、悟ったんだ。
お母さんは、俺の事が嫌いなんだって・・・。
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