君が教えてくれた事



病院にいる間、すごく不安だった。



自分が何故ここにいるのか?


何故、両親はお見舞いに来てくれないのか・・・



でも、学校に行かなくていい。



それだけは、嬉しかったんだ。



俺は、学校にも“居場所”がなかったから。



自分と同じ歳の同級生が怖かった。



力の加減を知らない子供は、容赦なく俺を痛めつける。



真冬に半袖。


体はアザだらけ。


明らかに周りのみんなと違う自分が恥ずかしかった。






一週間位、入院した頃、もう退院出来ると言われた。




両親の迎えもないまま、知らない車に乗せられた。



家に帰るんだと思ってた。



でも、車は俺を全然知らない所に連れて行ったんだ。




施設だった。




親に捨てられた子供が行く所。



そう思っていた俺は、全てに絶望した。



親に捨てられた・・・。


俺は、捨て子なんだ・・・。



やっぱり俺は、“いらない子”だったんだ・・・





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