君が教えてくれた事



その頃から俺は、誰とも口を聞かなくなったんだ。



ただ毎日、ぼんやり過ごしていた。



父親は、何度か面会に来てくれたけど、言葉を交わす事はなかった。



「元気でな。」



そう言って、俺を残して帰るんだ。



助けてっ!



何度も心の中で叫んだけど、届かなかった・・・。






施設の中でも、やっぱり俺はイジメの対象になった。



夜中に布団を被せられて、何人もに、ひたすら踏みつけられる。



与えられた物は、全て俺の手を通り過ぎて、上級生の手に渡った。




トイレでボコボコにされた時は、もう本当に殺して欲しいと思った。




毎日、抵抗する事なく、ひたすら耐え続けていた。





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