君が教えてくれた事
「歩太、嫌だよっ!
歩太の傍にいたいよっ!
私が歩太を愛すからっ!
愛してくれなくてもいいっ!
歩太といたい・・・。」
リカはそう言うと、俺を力いっぱい抱きしめてくれた。
『私が愛すから・・・』
こんな俺を、愛してくれるの・・・?
誰にも愛された事のない俺を・・・
堪えきれなかった。
何年も我慢し続けて、押し殺してきた感情が、涙になって溢れ出した。
本当はずっと怖かった・・・
寂しかった・・・
誰かに愛して欲しかったんだ。
気付いて欲しかったんだ。
情けなく流れ出した涙をリカは優しく拭ってくれる。
そして、すごく優しい顔をして、俺にキスをしてくれたんだ・・・
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