君が教えてくれた事
彼女の名前は、上原リカ(ウエハラリカ)。
店長に一番最初に紹介されたのが、リカだった。
興味なんてない。
別に仲良くなる必要もない。
たかがバイトだ。
仕事さえ与えてもらえれば、俺はそれで良かった。
どこに行っても、みんな同じ。
最初は愛想のいい挨拶をしてくれる。
でも、関わる事を拒むと、それ以上に拒絶されるんだ。
俺にとっては、その方が都合がいい。
自分の事を聞かれるのも嫌だし、相手の事を知りたいとも思わない。
開店前の朝礼で、みんなに挨拶をする様に言われた。
「宝来歩太(ホウライアユタ)です。宜しくお願いします。」
ほらな。
誰も俺を歓迎なんてしない。
いつもの事だ。
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