君が教えてくれた事
リカに視線を移すと、気まずそうに目を泳がせていた。
「リカがエロいから、バレちゃったじゃん。」
からかう様に言うと、リカはほんのりと赤く染まった顔で俺を見つめる。
可愛くて、愛しくて、リカの存在の全てが、俺の感情を沸きたてる。
リカの頭に手をやって、その頭を軽く撫でた。
「歩太、愛してる・・・。」
ドキドキと胸が高鳴る。
『愛してる』
その言葉の重みが、俺の中に染み込んでくる。
決して、簡単に口に出来る言葉じゃないって、俺は知っていたから。
俺に向けられたその言葉が、俺の中の冷たく凍った部分を、ゆっくりと溶かしていく。
どちらからともなく、顔を近づけた。
「お前ら・・・、反省してないの?」
更衣室から出てきた野上のおかげで、再び俺達は、固まってしまった。
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