君が教えてくれた事
愛してる
「歩太、もう用意出来てる〜?」
「ちょっと待って。ベランダから、俺のサロン取ってきて。」
リカと付き合う様になって2週間。
出勤時間が同じ日は、リカが俺の家に迎えに来る。
そしてリカを自転車の後ろに乗せて、一緒に海賊に向かう。
一緒に店に入っても、もう当たり前の様に誰も驚かない。
更衣室で着替えをしながら、
「リカちゃんともうエッチした?」
だの、
「昨日は、どっちの家に泊まったんだよ?」
なんて、いかにも若い男のしそうな話ばかりを振られる。
「ふっ・・・関係ねぇし・・・」
そう答えると、
「もったいぶるなよ〜」
とニヤニヤしながら、しつこく話しかけてくる。
この頃、少しだけ思う事がある。
別にみんな悪いヤツじゃない。
ただ今までの俺が、勝手に全ての人間を敵だと思い込んでいたんだと。
関わりたいとは思わないが、あえて背中を向ける必要もない。
リカと出会って4ヵ月。
たった4ヵ月で、それまでの何年もの俺の生き方や、考え方が、少しずつ変化している。
人の目を見ても、前ほど怖いとは思わない。
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