命の源
「あ、警察ですか?」




体育館入り口付近に居る村上とステージ付近に居る私とでは、十分な距離があり私は落ち着いて電話をかけ終えた。




後は、警察を待つのみ




電話を終え、一息つくとまた大きな悲鳴が聞こえた。



刃物を近くに居た女子生徒に向け、人質に取ろうとする村上。




もはやその目に教育者としての面影は無い。




緊迫した空気が漂う。




すると背後から
「どうしたんこれ?」
と声を潜めながらもあまりに呑気な声が聞こえてきた。




夏木だ。




「あんた何やってたの?」



私が声を潜め問い掛けると、
「仮眠」という答えが返ってきた。




「あんたは、呑気でいいね」




私はこの数時間、色々動き回って、結果こんな事件に巻き込まれているというのに寝てたのかよ




そんなコトを思うと自分の必死さにため息が出る。
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