命の源
「まぁ、いいや」




私はその時、腹を決めた。



「いいタイミングで現れたよ、夏木」




「はぁ?」




まだ夢から完全に覚めていない夏木に私は、言葉を続けた。




「夏木、あんた裏口から出て村上の背後に回ってくれない?私正面から行くから」




私は、村上を止める気でいた。




だってこの騒ぎの原因は、私。




「・・いいけど」




夏木は私の言葉に一瞬戸惑いつつも、状況を把握したらしく頷いた。




多分、夏木ならそう言ってくれるのではないか




無意識にそう思って人選した節も私の中でどこかにあった。
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