命の源
すると夏木は思い出したように呟いた。




「あ〜あれ本当だったんた?宮近優、比留川雄介キス事件?お前ら試験の日に馬鹿じゃね〜の?」




夏木はそんな噂に興味は無いらしく、噂の張本人目の前にして毒舌を吐く。




その清々しい位の毒舌が、何か今は心地いい。




大概の人間が人の噂に左右される世の中で、夏木が信じているものは、夏木自身でしかなかった。




その強さに、今の私はちょっと救われた。




「とりあえず宮近、今回ばかりはお前の負けだからな」



夏木の勝ち誇った顔に思わず笑ってしまう。
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