命の源
「何?嫉妬?」




私の視線の先に気付き、背後から夏木が現れた。




「はぁ、何が?」




その言葉の馬鹿馬鹿しさに私は、顔を歪める。




「いや、比留川と神山の方ばっか見てんから」




夏木が雄介と梨果の方に指を向ける。




「私が、恋愛に振り回される・・可愛い女子だったらよかったんだけどね。」




私はため息をつき呟いた。



私は恋愛をするには、孤独に慣れすぎたんだ。




何故か、夏木とは沈黙が苦にならない。




祭りが始まるまでぼけ〜っと二人浮き足立った生徒達を眺めていた。




「宮近・・お前浴衣似合うな」




さっきから何不思議な顔して、こっちを凝視してんのかと思ったら、夏木が真顔でそんな言葉を放った。
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