叶えたい花。
「ふざけないで。私はあなたのモノになんてならない」

 と、強気に出たのだった。甲斐先輩が、

「いつまでそんな悪あがきが通じると思ってんだよ」

 と言ったにも関わらず、私はこう言った。

「いつまででしょうね?少なくとも今は違います」

「なんだと?お前、調子に乗んなよ。シバくぞ」

 そうやって強気で来る甲斐先輩に関わらず、

「乗ってませんし、シバくならどうぞシバいてください。そこら辺のミーハーと一緒にしないで」

 と、私は少しだけイライラしながら言い返したのだった。

「お前のこと、絶対惚れさせてやっからな」

 と、キスする寸前の所まで顔を近付けてきた甲斐先輩に対し、

「先輩、それ去年からずっと言ってます」

 と、それ以上近付かないように甲斐先輩の体を押した私。でも、

「お前が惚れればすぐ終わんだよ」

 と、甲斐先輩は離れようとしなかった。私というと、引き下がることなくこう言った。

「先輩が諦めれば済むことです」

「あんだと?」
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