叶えたい花。

 と、甲斐先輩は顔を歪めた。そして、さらにこう言ってきた。

「気に食わねぇ。お前の態度、何もかも」

 私はというと、気に触るようなことをまた口にしてこう言った。

「なら離れてください。ずっといらいらしてますよ」

 甲斐先輩はとうとう我慢も限界なのか、

「黙れよ、どの口が言ってんだ」

 と、少しお怒りモードだった。それにもかかわらず、私はこう言った。

「私と先輩の口以外ここに口がありますか?」

「黙れ!」

 甲斐先輩はとうとう声を上げた。そして、恐怖を感じてびくついた私には関わらず、甲斐先輩は体を震わせながらこう続けた。

「どの口がその生意気言ってんだ。自分の立場わきまえねぇでまぁ言えたもんだなぁ?自分が今どんな状況かわかってんのかよ。…!」

 先に行動したのは私だった。これと言った根拠もなしに、甲斐先輩にキスしたんだ。

「これを望んでたんでしょ…?キスくらい…何度でもしてやるわ。それで諦めてくれるならね」

 と、言った私に甲斐先輩はこう言ってきた。

「わかってんじゃねぇか」
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