叶えたい花。

肉食系?サボり魔同級生

 学校一のチャラ男でサボり癖のあるシゲと同じクラス。ましてやシゲの隣は避けたかった。

「あっれ~?また君かぁ!もはや運命だね」

 私の机に頬杖をついてはにかんでくるシゲの本名を、私は知らない。私が彼をシゲと呼ぶようになったのは、そもそも彼がそう呼んでと言っていたからだ。その名前以外教えてもらってないし、最近の人の名前は難しい。だから、自分の名前以外読む気にもなれなかった。
 でもシゲは、入学当初からずっと一緒にいる腐れ縁。教室ではいつもこうしてお嬢様育ちの私を、周りの好奇心から守ってくれていた。
 そのせいか、シゲの席はほとんど私の隣で済まされる事が多かった。理由は簡単。シゲが結構な問題児だから。

「あれ?また考え事かい?」

 シゲはそうやって腕を組み直した。

「なんだっていいでしょ、あなたには関係ないわ」

 かわい気のない私の返答は、シゲには通用しないようで、

「もっと甘えていいんだよ?お嬢様」

 と、嫌みにしか聞こえない反撃をたまにしてくるのだった。その言葉にため息を吐いて、教室を後にすると、シゲは決まってこう言うのだった。

「あーらら、行っちゃった」

 そんなシゲとの会話が、今までの朝だった。
 半分不機嫌で、半分呆れた気持ちで教室を出ると、毎度捕まるのが、
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